2015/12/02

あなたの才能は投資家向きですか

バフェットが投資の手の内をばらすことに対して問われた際「ゆっくり金持ちになろうなんて奴はいないよ」と一蹴していました。

これ、分かります。

人はそれぞれ違う才能を持っているので、正解のない問題に関しては同じ情報をインプットしても個々のアウトプットは違ってきます。だから手の内をばらしても完全コピーされる心配はないのです。

本当に情報を公開しただけで自分の利益が目減りするような投資手法を恒常的にしているとすれば、それはコンピュータの方が得意な手法で投資していることになります。

ところでこれを逆から見れば、師匠としている投資家の才能と自分の才能が全く同じなどということは無いので、いくら師匠を研究して真似しても、一生師匠の足元にも及ばないレベルどまりになる確率が高いと言えます。

ですから、投資を初めたばかりの頃は、いろいろな有名投資家のやり方を真似るところから入るのはアリだと思いますが、ある程度やって自分の心の師匠とする有名投資家が決まったら、あとはそこをベースに斜め上へ向かってオリジナルを目指すべきでしょう。

バフェットだって、最初はグレアムのやり方を手本としてソコソコ儲けていましたが、マンガーに出会って企業の成長性に目覚めると、彼独自のオリジナル手法を完成させて大成功しました。

さらに最近になってからは、金は出すけど口は出さないというこれまで長く守ってきた方針を覆し、経営に一歩踏み込んだ企業価値の増加の領域に入って来ています。あの歳になっても、まだオリジナルを進化させているのです。




これをもうちょっと広く見てみます。

人は多様性がありますので投資家、経営者・労働者としての才能を持つ人、いろいろです。

例えば労働者としての才能を持つ人は投資家なんかになろうとせずに、労働者をしている方が絶対得ですし、逆もまたしかりなのです。

労働者は資産面であまり優位に立てないから不幸かというと全くそんなことはありません。

そもそもお金の多寡は幸福度にはあまり関係がないのです。労働者としての才能を持つ人はそれを生かし、チームで仕事を成し遂げる喜びなどを極める方が総合的にはずっと充実した人生となるでしょう。



そこで、VIA-ISテストという無料の才能判定サイトがありますのでぜひ試してみてください。

登録するメールアドレスはデタラメで大丈夫ですし20分もあればあなたの才能がわかります。

あんまり深く考え込まずにフィーリングでどんどん答えればOKです。そもそもこういうテストは同じ主旨の試問を繰り返すことでデータの信頼性を高めているので、深く考えない方が正しい結果が出ます。

テスト結果は自分の才能が順に1~23まで出てきますが、23番目などは才能というかむしろ弱みと考えた方がいいでしょう。

参考までに私の結果も掲載しておきます。


トップ5結果
1.大局観 [知恵]

人に対して賢明な助言ができる。自分にとっても、また他の人にとっても納得できるような世の中に対する見方を身につけている。

あなたは自分のことを賢いと思っていないかもしれませんが、あなたの友人たちはあなたのことを賢い人だと思っています。あなたの友人たちはあなたの物の見 方に一目置いており、あなたに助言を求めます。あなたは他人にとっても、また自分にとっても納得のいく世界観を持っている人です。

2.スピリチュアリティ [宗教性、信念、目的意識]

より高次の目的や、森羅万象の意味について、一貫した信念を持つ。より大きな枠組みの中で自分がどこに適するのかを理解している。有意義な人生について信念を持っており、信念に基づき行動し、やすらぎを感じる。

スピリチュアリティを強みとするあなたは、より高次の目的や、森羅万象の意味について、強く一貫した信念を持っています。あなたは自分がより大きな枠組みの中でどこに位置するのかを理解しています。あなたは信念に基づき行動することで、やすらぎを感じます。

3.思慮深さ[慎重さ]

注意深く選択する。不必要なリスクは決してとらない。後悔するような言動はとらない。
思慮深さを強みとするあなたは、注意深い人であり、常に用心深く選択を行います。後になって悔むようなことを言ったり行ったりせず、慎重です。

4.自律心[自制心]

自分の気持ちや振る舞いをコントロールする。規律正しい。自分の食欲や感情をコントロールする。

自己調整を強みとするあなたは、自分の気持ちや振る舞いを自ら意識してコントロールする、規律ある人です。あなたは自分の食欲や感情をコントロールしていますが、逆に食欲や感情にコントロールされることはありません。

5.審美眼(美と卓越性に価値をおく)[畏敬、驚嘆、崇高]

人生のあらゆる領域、つまり自然から芸術、数学、科学、日常の経験に至るまで、そこに美や、卓越性、あるいは熟練の技を見出し、それらの真価を認める人。

審美眼を強みとするあなたは、人生のあらゆる領域、つまり自然から芸術、数学、科学、日常の経験に至るまで、そこに美や、卓越性や、熟練した技を見出し、それらを深く味わう力のある人です。

これを見るとなんか、私は投資家よりお坊さん向きのような気もしますが…

ちなみに私の最大の弱みは「チームワーク」でした。こりゃサラリーマンとしては完全に終わってますねw。私は良い労働者としては落伍者なんです。それでしかたなく投資を私のメイン事業にしているんです。



なお、この才能は幼少期に形成され、その後一生変わりません。なので20代の若い時にこのテストで自分の才能を知って、そこをフォーカスして磨いた人とそうでない人は、その後の人生に大きな差が出るでしょうから早めに受けておくことをお薦めします。

そして、そういう目的でやるなら、今回紹介したような無料のものではなく、ちゃんと数百万人のデータから分析された一番権威ある有料のものを受けるべきです。
この分野の最も有名なテストは下記の本に付属しているアクセスコードで受けられる、ストレングスファインダーというものです。


今回の話をもっと詳しく知りたい方はAmazonで「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」をご一読ください。初っ端からバフェットも登場しますよ。(アマゾンには中古で安く売ってますが、それはアクセスコードが使用済みなので中古は買ったらダメですよ)

2015/11/14

ニュートラル感覚

人は何かをずっとやっていると、始めたばかりのころのフレッシュなニュートラルな感覚をいつの間にか忘れてしまいます。

例えば、何かの製品開発プロジェクトがあったとします。
メンバーはその仕事に打ち込んでいるうちに、どんどんその製品の仕様に詳しくなっていきます。

するといつの間にかメンバー全員が初見のお客さん感覚を完全に失ってしまい、その結果世にも使いにくいマニアックな製品が世に出ることになります。

みなさんも身の回りの家電に思い当たるフシはありませんか?

私はなぜかこのニュートラル感覚には自信があるのです。

その源がどこにあるのかと考えると、これはあまりほめられたことではないのですが、いつも物事に対して斜に構えているというか、真正面から取り組んでいないからだと思います。物事をいつも少し引いて見ているというか。

しかしその災いが転じてプラス面として具現化したのが、私のニュートラル感覚だと思っています。

株の世界でもご多分に漏れず、ポジションをとったり激しく売買を繰り返したりしているうちにニュートラル感覚がおかしくなります。


でも安心です。こんな時、簡単にこの罠から抜け出す魔法の言葉があります。

例えば保有株に何か悪いニュースが出て暴落したとします。
そうしたら「今その株をもってなかったら、果たして自分は今この値段で買うだろうか?」と自問するんです。

そしてもし「買わないな」と思ったら、そのポジションをホールドするのは間違っているということです。

月に1回くらいは、この自問自答をしてみて、自分のポジションが本当に正しいのかチェックするといいですよ。


2015/10/15

私のスクリーニング

人は種類が多すぎると選べなくなるそうです。株のスクリーニングも切り口が多すぎるからか、どうデータを料理したらいいのか途方にくれるときがありますよね。

そのスクリーニングですが、昔の私はもっぱらPERやROEなどをキーにして割安成長株を探していました。しかしそれはだいぶ前にやめました。

探せばそういう条件に合致した企業はいつでもそれなりに出てきます。
でもそれが「自分だけが見つけた割安成長株」な訳ないんです。

その株がそういう条件であることは周知の事実で、その上で今の値段が安いと思う人と高いと思う人が市場でちょうど釣り合って付いてるのが今の株価なんです。

要するに全ては織込み済みなのであって「誰も気づいてない優良株」を発掘しようなどとは、ゆめゆめ思わないことです。


しなしながら、その逆の「みんなが知っていて私が知らない優良株」のあぶり出しとしてはスクリーニングは良いツールです。


私はGoogle Stock Screenerでよく安定配当株を探しますが、これを見つけるための手順は次のようなものです。

まず、Market capで分布図の下半分は切ります。




時価総額で足きりするのは、安定配当には、やはり体力が大事だからです。また時価総額は過去の業績と信用の積み重ねという面もあるのが大きいです。

スクリーニングのキーにはPERやROEなど直近の業績で変化するものが多いのですが、こういうので絞ってしまうと決算のたびに出てくる銘柄がコロコロ変わってしまって長期投資用の銘柄は探せません。


次に、配当利回りを3%~6%で絞ります。この数字には結構、意味が込められています。

最低の3%というのは成長性を犠牲にしない範囲でギリギリ最高の配当利回りです。

普通、株において成長性を捨てなければ配当利回りは2%~3%がスイートスポットです。つまり配当利回り3%というのは高配当は欲しいけど、成長性も取りたい場合のギリギリの値なんです。

一方、天井の6%というのは、ここまでなら何らかのリスクを織り込んでいる、とはギリギリ「言えない」限界です。

探せば配当利回り10%とかいう株はいくらでも見つかりますが、そういう株には破綻リスクや株価を釣り上げて増資をしようとしていたりなど、何らかのリスクが織り込まれていると考えて間違いないでしょう。

また、配当利回り6%を超える株は、もやは成長は見込めないため株価は万年横ばいで、せいぜい景気循環で波が出来る程度です。

するとこういう株は長期的にはインデックスにも劣る可能性が高く、もはや株のメリットは薄いのです。実質的に購入の対抗馬は債券ということになります。

ですから、ここはバッサリ6%で切ってしまいます。

このようにして絞った後で、時価総額の降順でソートします。すると少しの時間ではそう簡単には顔ぶれが変わらない「まとも」な企業が残るでしょう。



ここから後は個別の企業分析になりますが、まずは上位20社くらい見て、その中からポートフォリオの重しになるような会社を数社選びます。

あとは暇を見つけて、スクリーニングで残った企業の中から、気に入った株を買ってもいいかもしれません。


2015/09/26

有名人の推し銘柄とのつきあい方


私が中国株を始めた当初は非常に情報が少なくて苦労した覚えがあります。

日本の会社四季報にあたるものはまだ出版されておらず、情報源と言えばネット証券が提供する1社あたり4~5行の簡単な企業紹介と財務データ、チャート程度でした。

そんな中、邱永漢先生(Q先生)と戸松さんの2人は中国の個別企業まで調査に出かけて詳しく言及するという貴重な情報源であり、中国株投資家の中でカリスマ的存在でした。

特にQ先生は高度経済成長期の日本株で大儲けして「お金儲けの神様」として既に有名でしたし、実際に中国でビジネスも手掛けていたため影響力は相当なものでした。

そのQ先生ですが、ただでさえ有名なのにブログでよく小型株を紹介するんです。
すると市場では日本人が大挙して爆買に訪れ、株価が急騰する(これをQ騰といいます)ということが毎度のように起きました。

しかしこのQ先生、かなりお茶目なところがありまして、よくハシゴを外すんです。
散々持ち上げてQ騰した銘柄について、1か月後に読者が「あの銘柄の決算がありましたが、先生はどう見ますか」と質問すると
「あれは中国ではうまく行かないことが分かりましたので私は全部売りましたよ」
「あなたはまだそんな株をもっていたんですか」
とやるわけです。

当然その日の市場は大惨事です。

小型株にそんな日本からくる怒涛の売りを吸収する流動性などあるはずもなく、そのうえ中国株にはストップ安もありませんから株価は当然のように5割6割7割と急落(Q落)し、日本人の死体の山が築かれたものです。

そんな被害を受けた人の一部は「Qのやつにハメこまれた」と2ちゃんでくすぶっていたようですが、投資は自己責任ですからね。そんなの負け犬の遠吠えです。

それでもQ先生が推した株の中には実際に株価が10倍20倍と上がったものもあったので、Q先生のブログの人気は健在でした。

私も1つだけ、「大賀伝媒 (GEM:08243)」という銘柄で被害に会ったものの、損した金額よりもQ先生から学んだ事の価値の方が高かったので別に恨んではいませんが、そうでもない人も多かったようです。

こんな事が過去にあったので有名人が推す個別銘柄は、それは例えばバフェット銘柄も含みますが、私は基本スルーです。

ただ、その中で自分もピンとくるものがあった時だけウォッチリストに入れておいて、おいおい自分で詳しく見て納得できたら買う、という感じで付き合っています。

他人の推す銘柄情報は投資のアイデアの単なるタネと考えて、あくまで銘柄選択の主役は自分であるべきでしょう。


ちなみにバフェットも結構ハシゴを外しますよ。

バフェットは2008年、中国株の匯源果汁(01886)という銘柄について「素晴らしい企業です」とかなんとか言って投資を匂わせておきながら、やっぱやーめた、とやったこともあります。株価は当然、暴騰(B騰)、暴落(B落)です。



また、2014年には英スーパーマーケット最大手テスコが粉飾決算を犯し「大きな過ち」だったと手のひらを返しています(当然ですが)。ほかにもエクソンモービルを突然売ったりと、いくらでも事例は出てきます。

例えば今、バフェット銘柄を拠り所にしてWFCを全力1点買いしている人がいたとして、WFCがVWみたいな不祥事をやらかし、もしバフェットが「WFCへの投資は過ちだった」とか言い出したら正気でいられますか(笑)



2015/09/14

投資のプレッシャー



投資を始めるにあたって、バーチャル取引で練習してもあまり意味がないと思います。
バーチャルで上手く出来たとしても所詮お遊びであって、実際にお金がかかった勝負とはプレッシャーが全く違うからです。

例えて言うならバーチャルは「地上1mでやる綱渡り」のようなもので、それで上手に出来たからと言って、ハイ、じゃあ次は地上100m行ってみよう!と言ったって出来っこないからです。

安全が保障された状態で出来るのと、落ちたら実際に死ぬというプレッシャー付きで出来るのでは大違いです。


プレッシャー付きで出来るようになるには、少額から始めて徐々にポジションを大きくしていくしかありません。

私の感覚だと高度1m=100万円くらいかなぁと思います。市場に1,000万円突っ込むときのプレッシャーは地上10mの綱渡り相当という感じです。
地上10mでも落ちたらタダでは済みませんが、これくらいなら初心者でもやってやれないことも無いでしょう。

しかしこれが1億円だと事情は大違いです。地上100mではもはや落ちる=死亡です。このプレッシャー付きで出来るようになるには相当な時間が必要です。
その前に、ここまで来るまでに実際に落ちて死ぬ人も多そうです。


そう考えると、投資だけで生活できる規模で株なりをやるには ひょっとしたら30歳くらいまでにやり始めないと間に合わないかもしれず、年齢制限は意外にキツいですね。

なので、よくTVで投資セミナーに来てるお爺さんお婆さんを見ますけど、やめておいた方がいいんじゃないかなぁ、と余計なお世話ながら思います。

だって60過ぎて100万円規模から徐々にやる時間はありませんし、かと言っていきなり1,000万規模でやって、もしヘマしたら命取りでしょう。

また、うっかりインデックスなんて買ったら下手したら増える前に死んでしまうし。

どう転んでもいいこと一つもないですもん。

2015/08/22

真の買い場は10年で12時間しかありません


 最近、相場が荒れて来ていますね。

この急落がギリシャショックのような一時的なものなのか、それとも本格的なリセッションの幕開けなのかは現時点では分かりません。

ただ言えることは、本格的なリセッションは常に今のような状態から始まるということです。
通常、リセッションに入る時にずっと市場に居続けた「中の人」は次のような経験をします。



1.突然、取ってつけたような理由で(本当は根深い理由があるのですが、この時点では認識されていません)株価が下がり始める←Now!


2.現実に悪い指標が出始める。指標が発表される度にドッカンドッカンと株価は下がる



3.マスコミに「リセッション」という単語が出始める。このあたりで中央銀行による利下げなどが行われ、株価は一時的に持ち直したりしながら基本は下方向へ



4.突然、株価が大きく崩れだす。暴落は2~3日続く。その後数日、乱高下する



5.株価のボラティリティが下がってくる。悪い指標が出てもあんまり株価は下がらなくなる



5-1.(100年に一度)恐慌または社会体制が一変する事態に炎上発展。株も債券も「4.」の値段なんて可愛いものと思えるほど暴落する。戦争になる場合もある



6.2四半期連続でGDPが低下しリセッション入りが確定する



6-1.(おまけ)愛読していた投資ブログの9割が更新停止または閉鎖される。自分のブログのページビューも10分の1程度になるw


「1.」から「6.」までの時間は大体4~6か月くらいです。

フルインベストメントをするタイミングとしては、スイング逆張りの人なら損切りを前提に「1.」でも構わないでしょう。

ただ、待てる人、または超長期投資の人は「4.」が実現してからが確実です。
このタイミングはそんなに多くは来ません。一生で10回くらいです。

10回しかないの!?と思われるかもしれませんが「勝負の時」としては多い方だと思います。
徳川家康は天下を取るチャンスを何十年も待って、実際にチャンスが来たのは1回だけ、60歳近くになっての時でした。それでも出遅れることなく一気にチャンスを掴みに行っています。
60のジジイがあれだけ機敏に行動できるのですから、私たちが出来ないはずはありません。

それに比べれば10年に1回もあれば多い方ですので、チャンスが来たらボーっとしてないで必死に買ってください。

真の買い場は10年待ってもせいぜい12時間くらいしかありませんので、買う銘柄は既に決めていなければなりません。普段の銘柄研究は全てこの一瞬のためだけにあります。

また、仕事にうつつを抜かして肝心の株の売買に支障が出ては大変ですので「時が来た」と思ったら即、仕事は放りだして帰宅しないといけません。
会議中であろうが、納期が明日であろうが迷いなくバックレです。だってこの黄金の12時間の時給は100万円~1,000万円にもなるのですから。

この覚悟は完了済みですか?こんな場面でバックレたら人事評価が下がるかも・・・なんてスケベ根性が残っているようではダメですよ。なぜか大体において、大チャンスと仕事の忙しい時期は重なるもんなんです。

そうして買ってもその後1~2年はイライラさせられる事はあるかと思いますが、きっと数年後には報われるでしょう。人類は日々今日より明日をよくしようと思って働いていますので、天災ならともかく、人間が起こしたことは大概は克服すると私は信じています。

そしてその数年の間に、配当金でいつの間にか相当なキャッシュポジが貯まっているハズです。そのキャッシュは大事に取っておいて、次回の「4.」で再び全額ブッコミです。

このループを10回、きっちり成功させたら多分バフェットとは言わずとも竹田和平さん程度の資産は得ているでしょうね。



私もブログが閉鎖しない程度にがんばります

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2015/05/22

米国の優良株は誰が選んでも同じかも?

真っ当な米国株でバリュー投資をするのには、実はそんなに知識はいらないんじゃないかと最近思います。有名な投資家みんなが良いと言ってたり持ってたりする株をただ買えばいいだけです。

さらに、20年も30年も好決算を続けているような良い株は、その間に多くの人の目に留まり、議論され、有名になっています。だから初心者でも簡単にその手の情報に行きつくはずです。

実際、私も米株を始めてすぐ、いろいろな情報源でJNJ、PG、XOM、MSFT、AAPL、VZ、KOといった有名株を目にしました。

最初は右も左も分からないので、とりあえずそういった銘柄の財務諸表を見るのですが、どれも似たようなプロポーションをしています。

それでは面白くないので、最近話題になった銘柄とかを見だしたのですが、決算の安定度、バリュエーション(株価の割高割安)などを見ると、やはり最初に見た有名株のほうが総合的にはいいのです。

アメリカの有名株は大型株といえども着実に成長していく株が多いですし、その時点のバリュエーションもまあ適切であることが多いです。
そのためダウのチャートを100年分くらい見ても、相当悪いタイミングで買わなければ10年単位で損をすることはあんまりありません。

それにそういう有名株は、少し決算をミスっても下がりが少なくて済みます。

米株は一般的に決算には超厳しくて、売上、EPS、次期予想の1つでも予想に届かないと鬼のように売られます。

比較的新しい会社がそういう悪い決算を出すと1日で軽く15%は下がりますが、有名株なら大抵は5%程度で済みます(これでも結構痛いですが)

なので決算の度にいちいちドキドキしなくてよいという面からも、有名株は持っていてラクなんですよ。

そんなわけで、どうせ目を皿のようにしてS&P500の全銘柄を調べつくしても残るのは結局みんなが知ってる有名株です。

それなら最初から素直にみんなが良いと言っている銘柄の中から、自分の気に入った銘柄を20個くらいピックアップして買った方が早いし、実際それが正解だと思います。



2015/05/06

ドル円相場は「だるまさんが転んだ」



為替相場の変動要因はいろいろありますが、基本的にペアになっている国のうち経済規模が大きいほうの国の事情で動きます。

もちろん異常時、例えば国債のデフォルトなどが起きた場合は小さい方の国の事情でも動きますが、平常時は大きい国の方がよりレート決定に影響してきます。

例えばドル円相場でしたらアメリカのGDPは日本の3倍もありますので、基本的にはアメリカの事情で動くと考えておくべきでしょう。

さて、昨今はドルが各通貨に対して強くなってきていますが、アメリカは日本のように国内産業が焼き尽くされるまで何年も自国通貨高を放っておくようなヌルい国ではありません。

ドル高を放置しておいてくれるのは「だるまさんが転んだ」と言っている時だけです。

ドル高が国内に悪影響を及ぼしていると判断すれば、直ちに振り向いてドル高対策を取ってくるでしょう。アメリカはそういう国です。

従って、最近の決算で事業は順調なのにドル高の影響で業績悪化して株価が下がっている米国企業(JNJやMMMなど)が見受けられますが、長期的な視点で見ればそういう銘柄は素直に「買い」でいいと思います。


2015/04/27

買い屋と売り屋

株の初心者が買いから入るのは正しいと思います。
株は長期的には上昇するものなので買いのほうが勝てる確率が高いですし、買いっ放しは出来ても売りっぱなしは出来ませんから。

しかし株を暫くやってもどうも利益が上がらない、という人は一度売りで入ってみてはどうでしょう?

株というものは売りの才能を持つ人は、いくら買いで勝負しても絶対勝てないからです。その逆もしかりです。

なので、もし売りで入って何かピンとくるものがあったら、もしかするとあなたは数少ない売りの才能をお持ちの人かもしれませんね。

株で利益を出す上で一番大事なのは自分がこの「買い屋」なのか、それとも「売り屋」なのかということをまず自覚することだと思います。

そして買い屋だったら上昇局面は買いで取って、下落局面も売りで取ろう、などという両刀使いはゆめゆめ思わないことです。

これをやるとまず往復ビンタを食らって死ぬのがオチです。
FXでやけくそになった人の最後って、大抵こんな感じじゃないでしょうか…。

株は心理戦、頭脳戦とも言われますが、実際のところ、私はアートのような芸術的要素が一番大きいと感じています。
言葉で書くのはなんとも難しいのですが、上がる絵(業績向上のシナリオ)を描くのが得意なのか、その逆なのかというか…。

とにかく自分のスタイルに逆らわなければ、たとえ含み損でも心理的な負担が少ないし、そのうち市場と呼吸が合ってきて利益が出てくると思いますよ。


まあその前に、株は9割が損をするといいますから、株で得をするには残り1割の変人じゃないとダメなんですけどね。
買って含み損になったらニヤニヤするくらいのドM変人じゃないといけません(事実、大抵こういう時が後から見たときの絶好の買い場なんです)。

それにしても、変人かつ売り屋となると、もう生きてるのが嫌になるほどのマイノリティーですね。



2015/04/15

米国と日本の配当政策の違い

米国株に傾倒するようになってから、非常に感じる所が一つあります。
それは投資家にとって、日本はキモい国だったということです。
中国のほうがまだ動機がストレート(金のためならなんでもする)な分だけ分かり易くてマシなほどです。

どういうことかと言いますと、米国で優良企業と言われている会社は「企業は株主へ利益を還元するためのシステムである」という資本主義の基本に極めて忠実です。
しかし日本や韓国はその全く逆を行っていて、株主に対して「うっせぇなあ、おめーら金だけ出して黙ってりゃいいんだよ!」という態度がミエミエなんです。


その分かり易い例の一つに配当政策があります。

配当とは本来、企業が安定期に達した後に行うべき資本政策です。ということは、一度配当を始めたらよっぽどのことが無い限りは突然止めたり、減配したりすることは許されないものなのです。本当は。

もしそういうことをする可能性があるなら、その企業はまだ安定期に入っているとは言い難く、株主還元には自社株買いなど単発的に実行できる政策をメインにするべきなのです。

米国の優良企業はこれに非常に忠実で、いったん配当を始めるとちょっとやそっと業績がふらついても、安定的に増配をする企業が多いです。

この点、日本は対照的でカジュアル気分に減配・無配にする企業が目立ちますね。
優良企業と言われている会社でも配当は据え置きが多く、毎年増配する会社は非常にまれです。投資家としては、配当を何だと思っているのか!と文句の一つでも言いたくなります。

日本株で連続増配銘柄といえば花王の24年がトップですが、米国株ではP&Gの58年やコカ・コーラの52年など、25年以上増配を続けている企業は100社以上もあるんです。


<参考>
※東洋経済ONLINEより引用


そして企業の配当利回りも5%以上など、大型優良株でも満足いくものとなっています。

日本のNTTや花王は配当利回り1%~2%ですから、連続増配年数、配当利回りともに勝負になりません。

米国株をやると、一度見てしまったら二度と日本株には戻れなくなるような数字を沢山目にすることでしょう。

こうしたこともあって、世界中のお金が米国に集まってくるのは当然で、今後とも米国が世界の金融の中心であり続けるのは間違いないと思います。


2015/04/12

キャッシュフローの見どころ

財務3表のうちキャッシュフロー(CF)表というのがあります

CF 表は営業 CF・投資 CF・財務 CFで構成されていますが、私はこれを見る時、営業 CF と投資 CF に特に注目します。

最も重視するポイントは以下の点です。

  1. 営業 CF がプラスで投資 CF がマイナスであること
  2. 営業 CF+投資 CF =フリー CF がプラスであること
  3. 継続的に上記の点を満たしていること

この状態が、もっとも「企業が投資家に利益を還元するマシーン」としての機能を果たしているからです。

図で表すとこんな感じです。


この薄い赤の部分に調査対象がいるかどうかを見ます。ここが投資家から見たスイートスポットであり、この中を長期間ウロウロしている会社のことを「優良企業」と言います。

そんな会社の CF を経年グラフにするとこんなふうになります。



安定期の状態を噛み砕いて説明すると、例えばコンビニ業で1店で儲けるシステムが出来上がっていて、あとは FC 出店すればするほど儲かる、という感じです。

つまり儲ける仕組みが完成しており、さらに投資を行うと、それに何割かの儲けがついて返ってくるわけです。

とにかく繰り返しになりますが、如何にしてこのスイートスポットに長期間とどまるかが企業にとっては勝負なのです。
そのためには続々と現れるライバルを追っ払い、時代に合わせて事業をブラッシュアップしていく必要があります。
さもないとあっと言う間に衰退期に行ってしまいます。



ちなみに企業の寿命サイクルをさっきの図で説明すると以下のようなものです。



まず最初に図の創業期から企業は始まります。ここではまだ「儲ける仕組み」を作っている段階なので、収入はないのに投資だけがかさみます。

次にその「儲ける仕組み」がうまく回りだすと安定期に入ります。その事業が優れたものであればじきに投資 CFよりも営業 CF のほうが大きくなって利益を生み始めます。
そしてさらに投資を増やして利益を極大化していきます。グラフは赤い領域内で右上に向かって進んでいきます。

しかしそんな状態にあぐらをかいてボーっとしてると、すぐにライバルが現れて横取りされたり時代遅れにされたりして衰退期に入ります。
ここでは、もはや投資した資産から上手く営業 CF を生み出せなくなってしまい、余った資産を売却したりするので投資 CF がプラスになります。経営者は不退転の決意でリストラをする必要があります。

そして、衰退期でやるべきことに失敗した会社は破綻期に入ります。ここではメイン事業はもはや常態的な赤字経営で、営業 CF がマイナスになります。その赤字を埋めるために資産の売却を余儀なくされていて、投資 CF のプラスで支えている状態です。
こうなると銀行もお金を貸してくれなくなり(財務CFのプラス調達ができない)、残された手段といえば MSCB の発行くらいです。


ちなみにトヨタってまだ安定期の初期段階なんですよ。ご存じでした?トヨタはいまだに営業 CF 以上に投資 CF が大きい成長段階の「若い」会社なのです。あんなに大きな会社なのにね。




Apple は最近ようやくスイートスポットに入ったところで、配当を始めました。極めて正しい資本政策といえます。





Twitter は勿論まだバリバリの創業期ですね。




こうしてみると CF って結構おもしろい


2015/04/03

利回り1%UPで生涯投資成績5000万の差



インデックスの平均的なリターンである7%で、100万円を20歳から平均寿命の80歳まで60年間運用したらどうなるでしょう。

計算すると、57.95倍です。つまり5795万円になります。複利の知識がないと人生に破壊的な影響があることが良く分かりますね。

同様に年8%だったら101.25倍、同1億125万円になります。今度はたった1%でこんなに差がでることに驚きますね。

現在の私の年平均成長率は10.08%ですが、これだと318.05倍、同3億1805万円になります。

というわけで、私は個別株をやっているわけです。

現在インデックス1本で運用している人も、経済ニュースなどに慣れてきたら一度は個別株にチャレンジしたらどうでしょう。1%でも運用成績を上げられればこんなに大きな差になるんですから。

もしチャレンジして5年くらい継続的にインデックスに負けたら、またインデックス投資に戻ればいいんです。これはオプション同様に損失は限定、利益は無限なんじゃないですかね。

私もインデックスに勝ち続ける限りは個別株投資をして、負けだしたらインデックスに切り替える方針です。

2023.6追記:その後頑張ってもインデックスとほぼ同等ということがわかりましたので、個別株はサテライト程度にすることにしました。

2015/03/31

30代で課長にもなってないリーマンはもうダメです


最初に以下に該当する方。

  1. 今のお仕事を楽しんで出来ている方
  2. 順調に島耕作コースを進撃中の方

これ以降は無駄な話となります。どうぞここでブラウザをお閉じください。
そしてその素晴らしい調子を出来るだけ長く保てればいいですね・・・


2015/03/18

72の法則

「72の法則」というのを存知ですか?

複利で運用すると何年で資産が2倍になるかをザックリ計算する方法です。

方法は72を利回りで割るだけです。
例えば年2%の複利で運用すると、72÷2=36年で資産が2倍になります(大体ですよ)。

年6%だったら72÷6=12年で2倍になる計算です。

正確に計算するよりも大体のスケール感のアタリを付けるほうが意味のある場合に向いています。

株では結構こういう場面は多いです。例えばニュースの1記事・四季報・ネット証券の銘柄基本情報のページだけをボーっと見ていても、常にこういう概算をするクセがついていると、良い銘柄を見た時に必ずピーンときます。

私はいつもぼーっとしているように見られているのですが、頭の中ではちゃっかりこんな計算をしています。

もっとも、その後エクセルで計算したり財務3表をじっくり見て、ああやっぱダメだ、となることが大概なのですが、とにかく全銘柄に対してこんなことはやってられないので、効率よく調査対象を減らす努力は必要なのです。

エクセルいらずで簡便に複利計算ができるので覚えておくと便利ですよ。



2015/03/12

中国株はNY上場銘柄から選べ!


成長はしているけど、どうも信用のおけない国、中国。
この中国株に投資するには、NYで直接もしくはADRを上場している銘柄から選ぶのをお薦めします。

ADRとは「American Depositary Receipt」の略称で、日本語では「米国預託証券」と訳されています。

NYでADRを上場するには、”年次報告書(Form20-F)を含む米国証券取引法に基づく開示義務”があり、海外の株主及び投資家に対する適切な情報提供を求められます。

つまり、怪しい企業はそこで排除してくれるので、中国株の中でもこれらの銘柄はやや安心して投資できます。

NYに上場している代表的な中国銘柄は以下です

BABA    アリババ・グループ
CTRP    シートリップ・ドット・コム・インターナショナル
BIDU    バイドゥ
JD       JDドットコム
EDU     ニューオリエンタルエデュケーションアンドテクノロジーグループ 
HMIN    ホーム・イン・アンド・ホテルズ・マネジメント
VIPS    ビップショップ
CHL     チャイナ・モバイル
PTR     ペトロ・チャイナ
QIHU    チーフー・360・テクノロジー(奇虎360)
XRS     TAL・コミュニケーション・グループ

これらの中国株なら相当疑り深い人でも投資を検討してもいい銘柄でしょう。



2015/03/03

わが投資生活の最大の黒歴史:3053ペッパー





今日は私の株人生において最も忌まわしい思い出のトップに君臨し続ける3053ペッパーに登場して頂きたいと思います。

ペッパーで思い知ったのは次のふたつの事でした。

  1. 試し買いの株数は、その後2回ナンピン出来る程度に抑える
  2. 新興株・小型株には手を出さないか、通常より多く分散投資する

3053ペッパーは、低価格のステーキチェーン「ペッパーランチ」を展開する企業です。

私がペッパーに興味を持ったのはもう10年近く前の話です。
当時私は浅草橋の会社で残業漬けの生活を送っていました。そのため夜はいつも会社の近所で食べることになり、その中の一つがペッパーランチだったのです。

今だったら、あんな一見して成型肉だと分かるものは食べませんが、当時は若かったし、何よりアツアツの鉄板で焼いた肉をライス付きで1000円以内で食べられるということで、結構な頻度で通っていました。

その馴染みのあるペッパーが東証マザーズにIPOするとのことで、投資対象として見たのは自然なことでした。

そこで有価証券報告書を読んだところ、ペッパーはまだ小粒な会社なのに既に東南アジアに積極的に海外展開を進めていることが分かりました。それに鉄板を高速で加熱して提供する仕組みが特許になっており、堀も深そうに見えました。

さらに指標的にも割高では無かったので、私は「これは日本発のマクドナルドとまでは行かずとも、SUBWAYくらいにはなるかもしれない」と興奮し、当時700万円しかなかった投資資金のうち150万円も「大人買い」をしてしまったのです。

その後どうなったかと言いますと、株価はジリジリと下げ続けました。ところが下げれば下げるほどチャンスとばかりに私はナンピンを繰り返し、いつの間にかペッパーだけで350万円ものポジションを取ってしまいました。

小型新興株の一銘柄にこんな入れ込むなんて、もし有名インデックス投資家が聞いたら一発で心停止しそうな話ですが、当時の私は能天気にもペッパーが数年後に10倍くらい成長すると信じていたのでした。

しかしそれからも株価は鳴かず飛ばずで一向に上がる気配を見せません。含み損はついに精神的に耐えがたいレベルに達してきて、私の頭の中にはいつもペッパーがいる状態になっていました。

その時です!ペッパーがひとつのニュースをリリースしたのは。

なんと株主優待を新設したのです!
このニュース一発でペッパーは大暴騰しました。

私は当時、ガラケーで株価を見ていたのですが、表示をリロードするたびに5万円ずつ利益が増えていき、大興奮したのを覚えています。
そして結局その一日だけで、私のペッパー株は含み損から大幅な含み益へと大変貌したのでした。

私は有頂天になりました。そうかそうか、やっとみんな気付いたか!と感極まって泣きそうでした(というか、そもそも業績で株価が上がったわけじゃないので根本から間違っているのですが・・・)

それで、「ここは利確するところじゃ無いな!もっと長期的に利を伸ばそう!」などと信じられないような勘違いをし、鬼ホールドを決め込むことにしたのです。

しかしその直後のタイミングですよ、あれが起きたのは。あの有名な「ペッパーランチ レイプ事件」です。いや、もうこれには本当に頭に来ましたね。

このニュース一発で翌日のペッパー株は大暴落しました。
寄付きから売りが殺到し、やっと寄ったのは含み損で70万円以上の価格でした。私は泣く泣く「こんな気持ちの悪い会社の株とは一秒でも早くおさらばしたい」という思い一心でブン投げました。


こうして大損→大儲け→大損と、結局損して終わったのですが、今から思えばどこからツッコんでいいのか分からないほど色々とおかしい投資です。

とにかく新興株のように予想が難しい、というか、予測不可能な株でこんな大きな長期ポジを取ってはいけません。

そもそも、成長をする為にIPOしてまで資金を集めたのに、すぐにその資金を外部流出させる株主優待を新設する社長もおかしいし、それを好感して株価を買い上げる市場もおかしいし、それを見てアホールドを決めこむ私もかなりおかしい、という具合で登場人物にロクな奴がいないのです。

これを黒歴史と言わずして何と言うのでしょうか。

ただ、この失敗から全ての株投資に応用できそうな教訓を得たとするならば、試し買いは最終的に予想するポジションの1/4程度から入らなくてはならない、ということと、やっぱりスモールキャップは危ないので、通常より多く分散投資するという点ではないでしょうか。


P.S.
その後10年近くたった最近になって、同社は業績を大きく伸ばし、株価は上昇しているようです。
こんなこともあるのが株の面白いところですね。




2015/02/17

20世紀のインデックス投資

「スノーボール ウォーレン・バフェット伝(下)」を読んでいたら興味深い段落がありました。

…それでも、効率的市場論者はあらゆる例外を否定する。その際だった例外がバフェットで、その実績が長期にわたって賞賛を浴びているのは不都合な事実だった…(略)…ランダムウォーク論者が、バフェットという謎について議論した…(略)…プリンストン大学の経済学者であるバートン・マルキールが、株式市場で一貫して平均以上の結果を出している人間は、ツキのあるサルが≪ウォール・ストリート・ジャーナル≫の相場欄にダーツを投げて選んだ株で連勝しているのと大差ないといって、この議論を締めくくった。(P193~)


これに対するバフェットの反論は以下です。


その通りかもしれないが、コイントスで勝つ人々が全員おなじ町の出身だとすれば、表の連続はランダムではないかもしれない(P196)


「全員おなじ町の出身」というのはバフェットと長年にわたって株について議論してきた仲間たちのことです。この「バフェット・グループ」のポートフォリオはそれぞれに違いますが、20年以上にわたってバフェット・グループの面々は市場平均を上回り続けていました。

この事実をバフェットは提示し、このような集中はランダムな幸運によるものではない、と統計的に証明しました。ランダム・ウォークは統計に基づく理論ですが、その統計に基づいて検証するとランダム・ウォーク理論は反証されるというわけです。

この議論があったのは今から30年以上も前の1984年ですが、この論点はまさに、私も長いこと疑問に思っていた事でした。

それで、この論点に対するさらなるバートン・マルキール側の反論を知りたいと思い、その後に出版された版のバートン・マルキールの超有名著書「ウォール街のランダム・ウォーカー」を、この論点に注意しながらを読んだ事があったのですが、バートン・マルキールからの反論は見当たりませんでした。

というわけで、この論点はバートン・マルキールに「既読スルー」された状態となっていますので、仕方ないので自分でその後30年の経過を検証してみました。




Yahoo financeより転載


青がバフェットのその後の成績、赤がS&P500です。
結果を見ると、バフェットは毎年コイントスで表を出し続けたわけではないものの、明らかにその確率は50%を長期的に上回っています。その期間は20年+30年で50年以上に及びます。

バフェットは1984年に「その通りかもしれないが」とD.カーネギー流に控えめな反論をしましたが、結果はむしろ「その通りでは全く無かった」と言えるでしょう。

2015/02/10

株主優待の昔話 7524:マルシェ

今日は私が昔持っていた 7524:マルシェという優待株の話をしたいと思います。

マルシェは複数の居酒屋ブランドを展開する企業です。

私は昔、その中の「八剣伝」という店の「ガーリックポテトフライ」というメニューが大好きで足しげく通っておりました。

マルシェのタグライン(←カルピスでいう「カラダにピース」みたいなキャッチフレーズね)は「心の診療所」です。多分、仕事でストレスフルになったサラリーマンの息抜きの場にしたい、という願いが込められているんでしょうが、行くたびに「ここは心療内科かよ」という一人ツッコミをせずにはいられませんでした。


そんなある日、いつも通りガーリックポテトを食べながら、どうせ通うなら株を買って優待で戴こうと思いつき、1単位購入することにしたのです。
購入後は行っては優待券で支払う、という楽園生活を満喫しました。

株主総会にも出かけました。社長の質疑応答がまるで体育会系の先輩と後輩のようなやりとりで、失礼ながら「なんか頭悪そうな社長だなぁ」と感じたのを覚えています。

その後も変わらず通っていたのですが、ある日問題が発生しました。なんと体重が10kgも増えていたのです!!これはまずいっ・・・!と思った矢先、行きつけの店も閉店することを知りました。

それで、ちょうどいい機会だし株を処分して以後行くのはやめたのです。
すると体重のほうも落ち着きました。


それからマルシェのことはすっかり忘れていたのですが、ある日株式ニュースを見ていたらマルシェの記事が出ていました。目に飛び込んできたのはよりによって

「マルシェ(7524) MSCBを発行」

というヘッドラインでした・・・・・。

あ、あぶね~。やっぱりあの社長やりやがった・・・。
マルシェの財務指標上、そんなものを発行する必要は全くなかったので多分、幹事証券にたぶらかされたんだろうけど、脳ミソ筋肉で出来てそうだったし、やりかねん・・・。


こんなことがあったので、私は基本的に優待株とは遊び程度に付き合うことにしています。

2015/02/08

MSCBは死亡フラグ




MSCBと聞いてピンとくる方は、そこそこ株歴が長い人だと思います。2005年にライブドアがニッポン放送を買収するために発行したことで一躍有名になりました。

MSCB は Moving Strike Convertible Bond の略で、日本語では「転換価格修正条項付転換社債あるいは下方修正条項付転換社債」という長ったらしい名前がついています。

読むだけでは分かりづらいので思いっきりカンタンに言い換えると「発行企業=死亡フラグON」と覚えて頂ければOKです。MSCB は海外では通称 death spiral bond と言われているほどです。

MSCB がなぜ死亡フラグなのかと言うと、一般にこれを発行する企業は、銀行から借入することも普通社債を発行することも、株を公募することも出来ない事情があって、最後の最後に残った資金調達方法だからです。

そんな死に体企業が最後に可能な資金調達とはどんなものか、そのスキームをライブドアの事例で見てみましょう。

事例概略
  • ライブドアが総額800億円の MSCB を発行しリーマン・ブラザーズが引受ける
  • 転換価額は直近のVWAP(加重平均価格)の90%に修正する
  • 堀江社長がリーマン・ブラザーズに自らの保有株を貸す

さあ、リーマンはこの MSCB を引き受けました。これでリーマンはノーリスクで引受け価額の10%以上を短期間で儲けることができるのです。そのスキームの基本はこうです。


堀江社長から借りた株を市場でドカドカ売る

株価が暴落する

暴落した株価から10%ディスカウントした価格で社債を株に転換

転換した株を堀江社長に返して、ほなサイナラ

市場にはライブドア既存株主の死体の山が残される



という具合です。実際にはこれを繰り返し行うのですが、要はMSCBは引受けた投資銀行が100%巨万の利を得て、既存株主が100%損失を被ることになるのです。

既存株主は株価の暴落と希薄化で市場の生贄と化すものの、投資銀行は100%儲かるので死に体企業でも金を貸すというわけです。

当然、これは「企業は株主利益を優先するべきである」という原則の真逆を行くものですので、一度でもこれをやった企業は市場からの信頼を永久に失います。したがって、死亡フラグONとなるのです。仮にその後市場に残っていたとしても、2度と近づかないことをお勧めします。


それにしてもその後、発行したライブドアのみならず、引受けたリーマンも市場から姿を消す結果となったのは興味深いですね。

2015/02/04

PER30倍は割高ではありません。

いわゆる安定期に入った企業のPERは、大体15倍くらいになります。
なんでこうなるのかというと、投資家は株に年率7%くらいの利益を期待するからです。
すると、1÷7%=14.29となって、PERは大体15倍となるのです。

さらに、なんで投資家は株に7%を期待するのかと言うと、過去数十年の平均がそのくらいだからです。
従って株の割高・割安を考える場合、この15倍がベースになります。


さて、基本はこうなのですが実はここからが株の奥の深いところです。

例えばPER30倍の株があったとします。株の初心者はこれを割高と判断するかもしれません。しかしたいていの場合、これはフェアバリューなのです。基本PERは15倍なのに、30倍でフェアバリューとはなぜか?

実は、市場というものは通常、3年後の企業の姿に対して株価をつけるのです。例えば先のPER30倍の企業が年率25%で成長しているとすると、3年後の利益は1×1.25^3で1.95になります。
すると、1.95÷7%≒28となって、適正PERは28倍となり「このくらいの値段でいいじゃない」となるのです。

ところがここで、この企業が四半期決算を発表し「来期の増益率は15%になりそうだ」とアナウンスしたらどうなるでしょう?
株の初心者でありがちな間違いは「今回も増益だ。順調に成長してるな」と思ってしまうことです。

この場合、決算を聞いてプロは「えっ!?」と思い、株は暴落します。何故なら25%成長を前提とした株価だったのに、急に15%になったら3年後の利益は1×1.15^3で1.52になります。すると適正なPERは1.52÷7%≒21倍となり、3割は暴落してもらわないと釣り合わないからです。


さて、話はここで終わりません。さらに株の奥深さは続きます。

ここまでは「市場というものは通常3年後の企業の姿に対して値付けする」という前提での話でしたが、実はこの「3年後」も変数なのです。

すなわち、市場がバブル化している時は5年後にも6年後にもなり、リーマンショックのようなことが起きると、1年後さえ信用できなくなるのです。

従って、リーマンショックのような時しか、低リスクで成長株を手に入れることは出来ません。
逆にいうと、 リーマンショックのような時は成長株をガッツリと買うべきです。
これは短期的にはみるみる資産が減っていきますので、実際にやるとかなり怖いですが、絶対に正しいという信念で乗り切りましょう。

一方、いわゆる通常時にチャラい成長株を買うのはトレーディングとしては正解ですが、長期的な投資としては高リスクとなります。
特にバブル時に高PERの株を買うことは非常に危険です。歴史に学べばそういう株で97%下落したものもあります。

というわけで私はウォッチ銘柄のうち、高PERのものは、嵐の時にガッツリ買いたいので、常にキャッシュポジを一定以上に保っています

「高いなら、死ぬまで待とう、成長株。」が私の投資のアイデアで、通常時には高PERの株には手を出さないようにしています。

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2015/02/02

思い出の懺悔銘柄:2229カルビー



私は投資でよく失敗します。色々と失敗しました。

今日はそんな中から2229カルビーを取り上げてみたいと思います。
カルビーから得た教訓は「自分がファンであり、割高でない株を買うのは良いアイデア」だという事です。


カルビーが上場したのは2011年でした。
私はその当時「堅あげポテト」の大ファンで毎日のように購入していましたし「コンソメパンチ」という何故か真似されない魔法のコンソメパウダーを使用したヒット商品も以前よりありました。

その流れでカルビーに興味を持ち、上場時に有価証券報告書を読んだのですが、その感想は「これはドメスティックな会社だな」というものでした。
原料であるジャガイモは国内産のものしか使用できず、市場も国内メインで、あまり成長性を感じられなかったからです。

上場後の株価イメージとしては日本マクドナルドを連想しました。日本マクドナルドの上場タイミングは既に国内に店舗が飽和した時期で、それまでの高成長は期待できない時期でした。

そういう時期に上場する企業の目的はズバリ「出口戦略」です。本来、株を上場する目的は市場から調達した資金で成長を加速させることですが、中には「上場ゴール」といって、市場から資金を巻き上げて利益確定するのが目的の企業もあります。

カルビーのイメージはそこまで悪くは無かったものの、それに近いものがありました。なんでいまさら上場すんの!?という感じです。

ところがその後カルビーは世界的なスナック菓子メーカーである「フリトレー」の親会社「ペプシコ」との提携関係を利用して北米へ大展開。
中国へは台湾系で本土で食品大手である「康師傳(カンシーフ)」と提携して市場展開を加速。決して派手ではないですが順調な成長を遂げています。

その結果、上場時のカルビーのPERは16倍くらいだったと記憶していますが、成長性が織り込まれた現在のPERは40倍を超えています。

これは典型的なテンバガー(株価10倍)コースです。

すなわち、安定企業のPERは大抵13~15倍くらいがストライクゾーンですが、PERは成長を織り込むと30~40倍に跳ね上がります。すると利益は何も変わらなくても株価は2~3倍になります。そして利益が3倍になると、3×3で株価は9倍になるのです。

上場時のカルビーのPERが16倍くらいだったということは、市場のみんなは私と同じようにカルビーの成長性を見くびっていたことになります。


このように自分がファンであり割高でない株を買うというの十分にアリな戦略だと思います。

なぜならファンということはアップサイドは自分自身が信じている訳で、割高でないことはダウンサイドは限られているからです。

カルビーの株価は上場から一貫して上がり続け、現在は初値の6倍以上になっています。

P.S
その後、カルビー躍進の謎が解けました。上場ちょっと前にCEOになったのは、なんとあのJNJから来た人だったそうです。そりゃあ成長するわ。

2015/01/29

私を株中毒にした母の思い出


気付いてみれば既に人生の折返し点を過ぎてしまった私ですが、振り返ってみれば半生で最も継続してきたものは株と言わざるを得なくなってしまいました。

なんでこうなったのかと言うと、それは間違いなく親の影響だったと思います。
私の亡くなった母親がかなりの株中毒だったからです。聞くところによると若い時に少しだけ証券会社に勤めていた経験からそうなったようです。

しかしながら、その腕前は超がつくほど「ド下手」でした。
基本、短期投機のチャーティストで、業績なんて二の次。雑誌の特定銘柄の煽り記事を見て株価がグングンと上がっていると我慢できずに飛びついて、高値掴みして損切り、というのが恒例のパターンだったようです。
現在の私の投資スタイルとは180度逆です。

そんな母の毎朝の日課といえば日経平均とお気に入り銘柄のチャートを方眼紙に追記することでした。
母は方眼紙を何枚もテープで継ぎ足して模造紙のように巨大になったチャートを食卓に広げ、訳の分からない自己流のトレンドラインを何本も引き、くどくどと中学生の私に講釈を垂れるのが常でした。

そのお気に入り株も今から思えばチャーティスト御用達の光通信やソフトバンク、そして訳の分からない小型株・新興株だったのが思い出されます。


そんな母もかなり前に亡くなったのですが、父が面倒がって遺産相続を放置していました。しかしいい加減やらなくてはと、亡くなってから数年も経ってようやく手を付け始めたのものの、母が使っていたのがネット証券だったため、父は良く分からん!とさじを投げ、私にお鉢が回ってきたのです。

そんな経緯で母の亡くなった後の口座内容を見る機会があったのですが、売買履歴を見る限り生前の株の利益はトントンかちょっと損したくらいだったようです。

それより口座を見ていて驚愕したのは、亡くなる2日前に新規に株を買っていたことです。もうすぐ死ぬというのに株を買うなんて、間違いなく私を遥かに超越する株中毒であり、戒名に「株証券院大姉」と付けなかったのが悔やまれました。


話を元に戻して、肝心の口座に残っていた株ですが、最も持ち高が多かったのがソフトバンクでした。やはりあのITバブル時の目の覚めるようなソフトバンクの高騰が忘れられなかったのでしょう。



ソフトバンクの長期チャート



その強烈な印象からか、ITバブルが崩壊した後から夢よ再びと買い増していたようです。
ところがそのソフトバンク、母の死後ボーダフォンの買収を行い、iPhoneを武器にガリバーNTTドコモを蹴散らし、圧倒的不利な状況から日本の通信業のトップになってしまいました。おかげで株価は母の買値の数倍になっており、数百万の利益となっていたのです。

おそらく母が生きていたら、ここまで利を引っ張るのは無理だったでしょう。どこかで我慢できずに利確し、そのあとグングン高騰する株価を見て地団駄を踏む姿が目に浮かびます。
チャーティストの短期投機家が3年も利を引っ張るのは文字通り死ななきゃできない荒行だったと言えるでしょう。

なにはともあれ、これにより母の生涯の株成績はプラスで終わることができたようです。


というわけで、振り返って見れば個別株の運用方法という点では母から何一つ学ぶ点は無かったのですが、口座を見て一つだけ母が偉かったと思ったことがありました。

それは資産の6割は国債で運用していたことと、決してレバレッジを掛けた取引をしなかったことです。
これにより、株の運用は目茶苦茶でも破滅することはありませんでした。

私もリスクはキャッシュの量で調節するのが何となく基本スタイルになっていますが、もしかすると母の影響なのかもしれません。



なお、私のキャッシュポジは現在61%です。

2015/01/16

米国株・日本株・中国株の特徴

早いもので米国株に打ち込み始めてから3か月程度が経過しました。
やってみて他の市場と違うな、と思った点を記録しておきたいと思います。

■米国株の特徴

1、決算で少しでもミソがつくと鬼のように売られる
売上が予想に2%届かなかったとか、EPSが予想より1%少なかったとか、それくらい許してやれよ!と思うことでも鬼急落。しかし一度売られた後にダラ下げすることはあまりない。

2、ダウ急落でも優良株はマイルド下落
しかし翌日、翌々日にその分しっかり下落することが多い。そしてこれらの優良株がしっかり下がらないと相場全体がアク抜けせず、次のラリーが始まらない。


といったところを感じました。
ついでなので比較までに中国株・日本株の特徴についても、思っている点を述べてみます。


■中国株の特徴
1、インチキ上等(笑)
ある日突然暴落して、3日後に大幅下方修正のニュースが出る。モロインサイダー(笑)。そしてそれについて何のお咎めも無し

2、豪快な資本政策を行う小型株
超低額での株主割当増資・突然の上場廃止・赤字企業の配当大盤振る舞い(←多分社長の個人的な利益のため)・・・などなど小型株はよく目茶苦茶な資本政策を行うので、時価総額の小さな銘柄はとても買えない。


■日本株の特徴
1、ニュースの反応が斜め上
材料が出ても株主視線での株価反応をしないことがたまに見られる。特に小型株で株主優待の新設で暴騰したりしてガイジンたち大困惑。情報の咀嚼が出来ない株主が多いのか、悪いニュースが出ても一気に下げずダラダラと下げ続ける。

2、資本主義が働いていない
ブルドッグソース事件に代表されるように異常な非効率経営で成長せずにダラダラ上場し続ける企業が多い。そしてそういう会社をルールに則って買収して改造しようとすると、ハゲタカ呼ばわりされて猛反発を受ける。見ようによってはちょっとキモイ社会。


以上私の個人の印象でした。やっぱ米国株が一番気分よく投資出来るかな・・・。