2015/02/04

PER30倍は割高ではありません。

いわゆる安定期に入った企業のPERは、大体15倍くらいになります。
なんでこうなるのかというと、投資家は株に年率7%くらいの利益を期待するからです。
すると、1÷7%=14.29となって、PERは大体15倍となるのです。

さらに、なんで投資家は株に7%を期待するのかと言うと、過去数十年の平均がそのくらいだからです。
従って株の割高・割安を考える場合、この15倍がベースになります。


さて、基本はこうなのですが実はここからが株の奥の深いところです。

例えばPER30倍の株があったとします。株の初心者はこれを割高と判断するかもしれません。しかしたいていの場合、これはフェアバリューなのです。基本PERは15倍なのに、30倍でフェアバリューとはなぜか?

実は、市場というものは通常、3年後の企業の姿に対して株価をつけるのです。例えば先のPER30倍の企業が年率25%で成長しているとすると、3年後の利益は1×1.25^3で1.95になります。
すると、1.95÷7%≒28となって、適正PERは28倍となり「このくらいの値段でいいじゃない」となるのです。

ところがここで、この企業が四半期決算を発表し「来期の増益率は15%になりそうだ」とアナウンスしたらどうなるでしょう?
株の初心者でありがちな間違いは「今回も増益だ。順調に成長してるな」と思ってしまうことです。

この場合、決算を聞いてプロは「えっ!?」と思い、株は暴落します。何故なら25%成長を前提とした株価だったのに、急に15%になったら3年後の利益は1×1.15^3で1.52になります。すると適正なPERは1.52÷7%≒21倍となり、3割は暴落してもらわないと釣り合わないからです。


さて、話はここで終わりません。さらに株の奥深さは続きます。

ここまでは「市場というものは通常3年後の企業の姿に対して値付けする」という前提での話でしたが、実はこの「3年後」も変数なのです。

すなわち、市場がバブル化している時は5年後にも6年後にもなり、リーマンショックのようなことが起きると、1年後さえ信用できなくなるのです。

従って、リーマンショックのような時しか、低リスクで成長株を手に入れることは出来ません。
逆にいうと、 リーマンショックのような時は成長株をガッツリと買うべきです。
これは短期的にはみるみる資産が減っていきますので、実際にやるとかなり怖いですが、絶対に正しいという信念で乗り切りましょう。

一方、いわゆる通常時にチャラい成長株を買うのはトレーディングとしては正解ですが、長期的な投資としては高リスクとなります。
特にバブル時に高PERの株を買うことは非常に危険です。歴史に学べばそういう株で97%下落したものもあります。

というわけで私はウォッチ銘柄のうち、高PERのものは、嵐の時にガッツリ買いたいので、常にキャッシュポジを一定以上に保っています

「高いなら、死ぬまで待とう、成長株。」が私の投資のアイデアで、通常時には高PERの株には手を出さないようにしています。

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